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【2026年最新】個人向け国債は買ってはいけない・やめとけ?3大理由を解説
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執筆者:
公開:
2024.06.19
更新:
2026.07.13
個人向け国債は、元本の安全性を重視できる一方、「リターンが低い」「インフレに弱い」「途中で換金しにくい」といった理由から、買ってはいけないといわれることがあります。勧められるまま購入すると、資金の使い道や運用目的に合わず、後悔する可能性もあります。この記事では、固定3年・固定5年・変動10年の仕組みや金利、中途換金の条件、預金・NISAとの違いまで具体的に解説します。
個人向け国債が「買ってはいけない」「やめとけ」と言われる3つの理由とデメリット
個人向け国債は国が破綻しない限り元本保証の安全資産でメリットも多く存在しますが、以下のように「やめとけ」と意見する声も散見されます。
個人向け国債のデメリット
- 株式投資ほどのリターンが得られずインフレに弱い
- 購入と解約に手間がかかり購入後1年間は解約できない
- キャンペーンにつられると金融機関から商品の勧誘を受ける
なぜ「やめとけ」と言われるのか、理由を検証します。
株式投資ほどのリターンが得られずインフレに弱い
資産運用と聞いて、株式投資や投資信託を最初に思い浮かべる人が多いでしょう。株式投資や投資信託への投資を行っている人たちにとって、個人向け国債はお金を寝かせているように見えるようです。
収益性では、個人向け国債は株式投資よりも劣ってしまいます。投資経験者からするとリターンが物足りないため、「大して利益が出ないからやめとけ」と言われてしまうと推測されます。
実際に個人向け国債は、元本の安全性を重視した商品であり、株式や株式投資信託のような大きな値上がり益は期待できません。ただし、金利上昇を受け、以前より収益性は改善しています。
2026年7月募集分の金利は、変動10年が年1.80%、固定5年が年1.95%、固定3年が年1.56%です。2024年当時と比べて金利水準が上昇しているため、「年利1%程度」という説明は現在の状況に合いません。
- 一方、2026年5月の全国消費者物価指数は前年同月比1.5%上昇しています。現在の国債金利が物価上昇率を上回る商品もあるため、「個人向け国債は必ずインフレに負ける」とは言い切れません。ただし、利子には原則20.315%の税金がかかり、今後の物価上昇率が国債の税引後利回りを上回れば、資産の実質的な購買力は低下します。
インフレ対策になる国債として物価連動国債があります。以下で詳しく解説していますのでご参照ください。
解約に手間がかかり購入後1年間は解約できないから
個人向け国債は、発行から1年間、原則として中途換金できません。急に資金が必要になってもすぐに現金化できないため、1年以内に使用する可能性がある生活防衛資金などを充てるのは避けた方がよいでしょう。
発行から1年が経過した後は、保有している金融機関を通じて、1万円単位で一部または全部を中途換金できます。手続きがインターネットで完結するか、店舗や書類での手続きが必要かは金融機関によって異なります。また、換金代金を受け取れるのは、申込日を含めておおむね3営業日後であり、普通預金のように即時に引き出せるわけではありません。
なお、保有者が亡くなった場合や、災害救助法が適用された大規模災害で被害を受けた場合は、発行から1年以内でも特例による中途換金が認められます。
なお、中途換金時のペナルティ(中途換金調整額)は「直近2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685」です。具体的な金額をイメージしてみましょう。
例えば100万円を利率1.80%で保有していた場合、半年ごとの利子は税引前9,000円です。中途換金すると「9,000円×2回分×0.79685=約1万4,300円」が差し引かれます。実質的に約1年分の利子を手放すイメージであり、元本100万円自体は満額戻ってきます。
また、以下の場合は発行から1年以内でも例外的に中途換金が認められています。
1年以内でも例外的に中途換金できるケース
- 保有者本人が亡くなった場合(相続時)
- 災害救助法が適用される大規模な自然災害で被害を受けた場合
自分の保有分を中途換金するといくら受け取れるかは、財務省の「中途換金シミュレーション」(公式サイト)で回号と金額を入力すれば正確に試算できます。
キャンペーンにつられると金融機関から商品の勧誘を受けるから
個人向け国債の販売窓口となっている金融機関の一部では、「購入金額100万円ごとに1,000円キャッシュバック」のように、購入金額に応じたキャンペーンを行っています。
キャンペーンにつられて個人向け国債を購入すると、金融機関から商品の勧誘を受ける可能性があります。しつこい営業を受けた経験を持つ人が「勧誘を断るのが面倒だからやめとけ」と意見しているケースも推測できるでしょう。
金融機関としても、個人向け国債の購入をきっかけに、顧客を取り込みたい意向があります。そのため、利用した金融機関から何らかの営業を受けるのは、ある程度は致し方ありません。
- お得なキャンペーンを活用するのは有意義ですが、キャンペーンだけに踊らされるのは避けるべきです。もし営業を受けても、不要と感じたらきっぱりと断るか、今後は連絡が不要である旨を伝えるとよいでしょう。
ただし、ネット証券で個人向け国債を購入すれば、営業を受けるリスクを抑えられます。そのため、「営業を受けるのが嫌」というあなたは、対面窓口ではなくネット証券で購入することをおすすめします。
銀行が国債より他商品を勧めがちな背景は以下Q&Aをご参照ください。
個人向け国債は3種類!仕組みと利率を解説
個人向け国債には「固定3年」「固定5年」「変動10年」の3種類があります。それぞれの特徴をまとめると、以下のとおりです。
| 固定3年 | 固定5年 | 変動10年 | |
|---|---|---|---|
| 金利変動 | なし | なし | あり |
| 金利設定方法 | 基準金利-0.03% | 基準金利-0.05% | 基準金利×0.66 |
| 固定3年,固定5年,変動10年共通 | |
|---|---|
| 最低金利 | 0.05% |
| 元本割れリスク | なし |
| 利子の受け取り | 半年毎に年2回 |
| 購入単位 | 最低1万円から1万円単位 |
| 中途換金 | 発行後1年経過すれば、いつでも中途換金が可能(直近2回分の各利子相当額×0.79685が差し引かれます) |
3種類とも最低金利として年0.05%が設定されており、満期まで保有した場合は額面金額で償還されます。発行から1年経過後に中途換金する場合も、国が額面金額で買い取るため、元本部分の価格が市場金利によって変動することはありません。
ただし、中途換金時には「直前2回分の各利子相当額×0.79685」が中途換金調整額として差し引かれます。元本自体は減らなくても、受け取った利子の一部を実質的に返すことになる点は理解しておきましょう。
【2026年】金利上昇局面での個人向け国債の選び方
「どの種類を買えばいいのか」は、金利が動く局面では特に悩ましい問題です。ここでは2026年現在の金利環境を踏まえた判断材料を整理します。
固定5年が変動10年を上回る「金利逆転現象」が発生中
従来、個人向け国債では「変動10年が最も高金利」という時期が長く続いていました。しかし2025年9月以降、固定5年の利率が変動10年を上回る逆転現象が起きています(2026年7月募集分:固定5年1.95%>変動10年1.80%)。
原因は利率の計算式の違いにあります。
利率の計算方法の違い
- 変動10年:基準金利(10年固定利付国債の利回り)×0.66
- 固定5年:基準金利(5年固定利付国債の想定利回り)−0.05%
変動10年は基準金利の66%しか受け取れないのに対し、固定5年はほぼ満額です。現在のように5年金利と10年金利の差(イールドカーブの傾き)が小さい局面では、掛け目0.66のハンデが表面化しやすく、固定5年が有利に見える構図になっています。
- 実際、発行額でも長年首位だった変動10年を固定5年が逆転する動きが見られました。ただし、今後さらに金利が上昇すれば、半年ごとに利率が見直される変動10年が数年後に固定5年を追い抜く可能性も十分あります。「今の利率」だけでなく「今後の金利をどう読むか」で評価が変わる点に注意しましょう。
金利シナリオ別・タイプの選び方
どのタイプが合うかは、金利の先行きの読みと資金の使い道で決まります。判断の目安は以下のとおりです。
| 金利シナリオ/資金の性質 | 向いているタイプ | 理由 |
|---|---|---|
| 日銀の利上げが今後も続くと考える | 変動10年 | 半年ごとの利率見直しで金利上昇を取り込める |
| 現在の金利水準で十分満足・確定させたい | 固定5年 | 逆転現象で足元の利率が最も高く、満期まで確定 |
| 3年後・5年後など使う時期が決まっている | 期間の合う固定3年・固定5年 | 中途換金の目減りを避けられる |
| 金利を読む自信がない | 変動10年と固定5年に分割 | どちらのシナリオでも後悔を減らせる |
迷った場合は「そのお金をいつ使うか」で選ぶのが、最も失敗しにくい判断軸です。
2027年1月発行分から「個人向け国債プラス」に名称変更
2026年12月募集・2027年1月発行分から、個人向け国債は「個人向け国債プラス」へ名称が変更される予定です。商品性そのものに変更はなく、購入できる対象者の範囲が広がる(プラスされる)ことに伴う改称です。金融機関のサイトや店頭で新旧の名称が混在する時期がありますので、別商品と誤解しないようにしましょう。
個人向け国債にはメリットも多い
個人向け国債は「やめとけ」というネガティブな意見が見られる一方で、メリットも多くあります。
ネガティブな声だけに惑わされることなく、メリットについても把握しましょう。
元本保証で銀行預金以上の金利が適用される
個人向け国債は、元本保証でありながらも銀行預金以上の金利が適用されています。2026年7月に募集されている個人向け国債の利率は、以下のとおりです。
2026年7月発行分の個人向け国債
- 固定3年:年1.56%(税引後年1.2430860%)
- 固定5年:年1.95%(税引後年1.5538575%)
- 変動10年:年1.80%(税引後年1.4343300%)
出典:財務省「個人向け国債窓口」
募集期間は2026年7月6日から7月31日まで、発行日は2026年8月17日です。変動10年の利率は半年ごとに見直されるため、年1.80%が満期まで続くわけではありません。
2026年7月時点におけるメガバンクの普通預金の標準金利は年0.30%です。また、3年もの円定期預金の金利は年0.60%となっています。
2026年7月募集分の個人向け国債は、これらの標準的な預金金利を上回っています。ただし、預金金利は金融機関や預入期間、キャンペーンの適用条件によって異なります。「個人向け国債は必ず預金より高金利」とは限らないため、購入時点の金利を比較しましょう。
変動10年は金利上昇に伴って受け取れる利息が増える
個人向け国債変動10年は、半年ごとに金利が見直されます。購入後に、昨今のような金利上昇局面を迎えると、受け取れる利息が増えるという恩恵を受けることが可能です。
一方で、銀行の定期預金は預入時の金利が固定されます(銀行によっては変動金利定期預金があります)。金利上昇に伴って、受け取れる利息が増える恩恵を受けられるのは個人向け国債変動10年のメリットです。
- 逆に金利が下がったとしても、0.05%が最低保証されています。元本割れのリスクがなく、金利上昇の恩恵を受けられる点は、銀行預金にはない強みといえるでしょう。
個人向け国債の変動10年のメリット・デメリットは以下Q&Aで説明しています。
国(日本政府)が発行しているため信用リスクが非常に低い
個人向け国債を買うということは、国にお金を貸すことです。国債は国が発行しているため、株式や社債と比べるとデフォルトリスクが非常に低いというメリットがあります。
- 仮に大不況や恐慌がきたとして、大不況や恐慌で金融機関に危機的状況が訪れたとしても、日本政府が揺らいだことはありません。つまり、個人向け国債は金融商品の中でも、トップクラスの安全性を誇ります。
個人向け国債は、生活防衛資金の置き場所としても適しています。詳しくは、こちらの記事もご覧ください。
1万円から購入できるため始めるまでのハードルが低い
個人向け国債は、1万円から購入可能です。「投資(特に債券投資)」と聞くと大金が必要になるイメージを持つ方がいるかもしれませんが、個人向け国債は手頃な金額から始められます。
少額から購入できるため、「まずは資産運用の経験を積みたい」と考えている方にもおすすめです。
個人向け国債は購入から1年が経過すれば、1万円単位で解約できます。解約した際には直近2回分の利息等が差し引かれますが、元本割れするわけではありません。
なお、個人向け国債とよく似た商品に「新窓販国債」があります。主な違いは以下のとおりです。
| 個人向け国債 | 新窓販国債 | |
|---|---|---|
| 購入できる人 | 個人のみ | 個人・法人とも可 |
| 種類 | 固定3年・固定5年・変動10年 | 固定2年・固定5年・固定10年 |
| 購入単位 | 1万円から | 5万円から |
| 中途換金 | 発行1年後から額面で換金可(調整額あり) | いつでも市場で売却可 |
| 元本割れ | なし | 市場売却時は元本割れの可能性あり |
| 最低金利保証 | 年0.05%あり | なし |
「10年間使う予定がなく、途中売却もしない」と割り切れるなら新窓販国債の固定10年、「元本割れは絶対に避けたい」なら個人向け国債、という使い分けが考えられます。
個人向け国債と混同されやすい「新窓販国債」との違いは以下で説明しています。
購入時・保有中・中途換金時に手数料がかからない
個人向け国債の購入や中途換金に、通常の売買手数料はかかりません。また、投資信託の信託報酬のように、保有期間中に継続して差し引かれる商品固有の管理費用もありません。
ただし、金融機関によっては、国債を管理する口座の開設料や口座管理料、ほかの金融機関へ移管する際の手数料などがかかる場合があります。利用する金融機関の手数料を事前に確認しましょう。
なお、中途換金時に差し引かれる中途換金調整額は売買手数料ではありませんが、実際の受取額を減らす要因になります。
個人向け国債を有効活用する方法とおすすめの人
個人向け国債は安全性が高く、満期を迎えると確実に元本が受け取れるという強みがあります。一方で、株式投資や投資信託ほどのリターンは見込めない弱みがある点が特徴です。
そのため、以下のような人に向いています。
個人向け国債が向いている人/p>
- まとまったお金が必要になるタイミングが把握できている方
- まずはリスクのない方法で資産運用を始めてみたい方
- ペイオフで保護されないお金の安全な置き場所を探している方
- 低金利期に購入した固定3年・固定5年を保有し続けている方
以下で、詳しく解説していきます。
1.まとまったお金が必要になるタイミングが把握できている方
例えば、子どもが現在7~8歳で大学入学資金を用意したいときは、変動10年を購入して保有し続けるとよいでしょう。安全に元本を確保しつつ、保有期間中は半年に1回利息を受け取れます。
特に、教育資金は必要になるタイミングがある程度予測できます。教育資金を用意するうえで、個人向け国債は好相性といえるでしょう。
2.まずはリスクのない方法で資産運用を始めてみたい方
資産運用の経験がなく、株式や投資信託の価格変動に不安を感じる方には、個人向け国債が選択肢になります。
個人向け国債は、満期まで保有すれば額面金額で償還され、中途換金時も市場価格の下落によって元本部分が減ることはありません。ただし、インフレによる実質価値の低下や、発行後1年間は原則として換金できないといったリスクはあります。「リスクがない商品」ではなく、価格変動リスクを抑えやすい商品と理解しましょう。
3.ペイオフで保護されないお金の安全な置き場所を探している方
預金保険制度では、利息の付く普通預金や定期預金などについて、1金融機関ごとに預金者1人当たり元本1,000万円までと、破綻日までの利息等が保護されます。
そのため、現預金の総額が1,000万円を超えていても、複数の金融機関に分散していれば、直ちに保護範囲を超えるわけではありません。同じ金融機関に預金保険の対象となる預金を1,000万円超預けている場合、その超過分の置き場所として個人向け国債を検討する余地があります。
個人向け国債は、購入先の金融機関が破綻しても、振替口座簿に記録された権利が保護され、国から利子や償還金を受け取れます。
- 個人向け国債そのものは預金保険(ペイオフ)や投資者保護基金の対象ではありません。しかし、これはデメリットではありません。個人向け国債の元本と利子は発行体である国が直接支払うため、購入先の銀行や証券会社が破綻しても資産は保全されます。しかも預金保険のような1,000万円の上限がなく、購入金額に制限はありません。
つまり「1金融機関1,000万円まで」という預金保険の制約を気にせず、まとまった退職金や相続資金を一括で置ける点が、大口資金の置き場所として個人向け国債が選ばれる理由です。
なお、個人向け国債以外の商品について知りたい場合は、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。
4.低金利期に購入した固定3年・固定5年を保有し続けている方
すでに個人向け国債を保有している方にとって、金利上昇局面は「乗り換え」を検討する好機です。ポイントは保有しているタイプによって対応が異なることです。
買い替えのパターン
- 変動10年を保有中の方:半年ごとに利率が自動で見直されるため、低金利期に購入した場合でも現在は上昇後の利率が適用されています。基本的に乗り換えは不要です。
- 固定3年・固定5年を低金利期に購入した方:購入時の低い利率が満期まで続くため、中途換金して現在の高利率の新発債に乗り換えることで、受取利息を増やせる可能性があります。
例えば、利率0.18%の固定5年を100万円分保有している場合、中途換金調整額は「直近2回分の利子(税引前900円×2回)×0.79685=約1,400円」にとどまります。
乗り換え先の利率が1.95%なら利息の差は年間約1万7,000円(税引前)となり、ペナルティは1年目でただちに回収できる計算です。低い利率で購入した債券ほど中途換金調整額も小さくなるため、乗り換えのハードルは意外に低いのです。
ただし、中途換金から新発債の購入まで数日〜数週間の空白期間が生じる点、乗り換え先の募集金利は毎月変わる点には注意しましょう。正確な手取り額は財務省の中途換金シミュレーションで確認してから判断するのが確実です。
個人向け国債はNISAの対象外!ただし今後「対象入り」の可能性も
現時点(2026年7月)では、個人向け国債を含む債券そのものはNISA(少額投資非課税制度)の対象外です。NISAの対象は上場株式や投資信託などに限られており、個人向け国債の利子には通常どおり20.315%が課税されます。
国債がNISAで買えるようになる?注目の最新動向
2026年7月10日、国民民主党が国債をNISAの対象に加える法案を参議院に提出しました。家計の安定的な資産形成に加え、日銀が国債の買い入れを減らすなかで、個人を新たな国債の買い手として育てたいという狙いがあります。自民党内でも相続税の優遇など、個人向け国債の購入を後押しする案が議論されており、与野党双方から促進策が出てきている状況です。
もっとも、法案が提出された段階であり、成立するか、いつから始まるかは未定です。NISAはもともと「リスクを取った投資の利益を非課税にする」という趣旨で設計されており、元本保証のある個人向け国債を加えるには制度の整理が必要という指摘もあります。今後の国会審議や税制改正の議論に注目しておきましょう。
現時点での考え方:役割分担で使い分ける
制度改正を待つ間も、個人向け国債を避ける必要はありません。考え方としては資産全体での役割分担が有効です。
NISAとの使い分け方法
- NISA:株式・投資信託などのリスク資産で、非課税メリットを活かして資産を増やす
- 個人向け国債:使う時期が決まっているお金や生活防衛資金の置き場所として、元本を守る
なお、「今すぐ債券にも非課税で投資したい」という場合は、NISAの成長投資枠で購入できる債券型の投資信託やETFという選択肢があります。ただしこれらは市場価格で変動するため元本保証はなく、個人向け国債とは性格が異なる点に注意してください。
もし将来的に個人向け国債がNISAの対象になれば、利子への課税がなくなり、「元本を守りながら非課税で利子を受け取る」という新しい選択肢が生まれます。安全資産の置き場所としての魅力がさらに高まるため、続報をチェックする価値は十分にあるでしょう。
個人向け国債は一概に「買ってはいけない」「やめとけ」とは言えない!安全に運用したいときの有力な選択肢
個人向け国債は「リターンが低いから」「解約に手間がかかるから」「金融機関からしつこい営業を受けるから」など、さまざまな理由からやめとけと言われることがあります。
しかし、個人向け国債は、価格変動による元本割れを避けながら、一定の利息を受け取りたい場合に活用できる金融商品です。特に、1年以上使う予定がなく、株式や投資信託ほどの値動きを避けたい資金の置き場所として適しています。
変動10年は半年ごとに金利が見直されるため、市場金利が上昇すれば受け取れる利息も増える可能性があります。一方、市場金利が低下すれば適用金利も下がります。
銀行預金と個人向け国債では、安全性を支える仕組みや換金性が異なるため、単純にどちらが安全とは言い切れません。すぐに使う資金は普通預金、1年以上使う予定がなく元本の安定性を重視する資金は個人向け国債というように、使用時期に応じて使い分けましょう。
この記事のまとめ
個人向け国債は、株式のような大きな収益は期待しにくく、発行後1年間は原則として中途換金できません。ただし、元本の安定性が高く、1年以上使わない資金や、値動きを避けたい資金の置き場所としては有力な選択肢です。購入前に、最新金利、中途換金の条件、資金を使う時期を確認し、普通預金やNISAと役割を分けましょう。否定的な評判だけで決めず、自分の目的に合うかを基準に判断することが大切です。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
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国債
発行体が各国中央政府の債券を国債といいます。発行目的や利払い方式などで種類が分別されます。中央政府に資金需要が発生した際に、国債を発行して資金の調達を行うことがあります。 投資家は国債を購入することで、発行体である中央政府へ資金を提供し、その見返りとして半年に1回などのペースで、中央政府から利子を受け取ります。償還期限までに中央政府の財政が悪化するなど、債務が履行されない状況に陥らなければ、満期には額面どおりの金額が投資家へ償還される仕組みです。 国債には、固定利付国債、変動利付国債、物価連動国債などがあります。
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有価証券
有価証券とは、財産的価値を裏づける権利が紙や電子データそのものに具体化された証券類を指します。金融商品取引法第2条では「第一項有価証券(株式・社債など)」「第二項有価証券(投資信託受益証券など)」に分類され、さらに商法や手形法でも定義が設けられています。現在は株券不発行制度や「ほふり(証券保管振替機構)」による電子化が進み、一般の投資家が実物の証券を受け取る場面はほとんどありません。 有価証券は、大きく ①資金調達・投資対象としての証券 と ②決済・信用補完を目的とする証券 に分けられます。前者には株式、社債、国債、投資信託受益証券、ETF(Exchange Traded Fund〈上場投資信託〉)などが含まれ、保有者は配当金や利息、値上がり益を得る可能性があります。後者には約束手形や小切手が該当し、主に企業間の支払い手段として流通しますが、一般的な投資対象にはなりにくい点が前者と大きく異なります。 企業や政府は有価証券を発行して広く資金を集め、投資家は将来得られるリターンを期待して取得します。その価格は市場の需給、金利水準、発行体の信用力などで日々変動するため、価格変動リスクと引き換えに収益機会を得られることが資産運用上の魅力です。ただし、譲渡益や配当・利息には原則として20.315%の申告分離課税がかかり、上場株式や公募投信は時価評価が会計基準でも義務づけられるなど、税務・会計・金融規制の面でも厳格なルールが設定されています。 このように有価証券は、金融市場を通じて資金を循環させる中心的なインフラであり、個人投資家にとっては資産形成の主軸となる一方で、法律・税務・会計の枠組みによって権利が保護され、リスク管理が図られている点が大きな特徴です。
円貨建て債券
円貨建て債券とは、日本円で元本や利息が支払われる債券のことをいいます。日本国内の企業や政府が発行するだけでなく、海外の発行体が日本円で発行する場合も含まれます。投資家にとっては、為替変動の影響を受けにくいため、リスクを抑えた運用がしやすいというメリットがあります。一方、発行体にとっては、日本市場から円建てで資金を調達できる手段のひとつです。円貨建て債券は、特に日本国内の投資家にとって、通貨の変動リスクを避けながら安定的な収益を期待できる商品として利用されています。







